- ホワイトペーパーを作りたいと考えているものの、具体的な流れやコツがわからない。
この記事は上記のようなお悩みを抱えておられる方に向けて、ホワイトペーパーの概要や種類、メリットなどを踏まえつつ、具体的な作り方やコツをわかりやすく解説します。
ホワイトペーパーの活用法やダウンロードを促進するポイントなども併せてご紹介しておりますので、ぜひご一読ください。
ホワイトペーパーの概要
まずはホワイトペーパーの概要や種類、営業資料との違いなどについて確認しましょう。
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、提供している製品・サービスに関連したテーマにおいて、顧客にとって役立つ情報をまとめた資料のことです。
ブログ記事などとは異なり、調査や考察などに基づき、専門的な内容を含めて制作され、ボリュームも数十ページに及ぶこともあります。
そのためホワイトペーパーを提供することで、ブログ記事などを読んだ見込み顧客や、すでに製品・サービスについて一定のリテラシーを持った見込み顧客の購買意欲を、更に高めることができるのです。
主にWebサイトにおいてダウンロードコンテンツとして提供されることが多くなります。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーと一口に言っても様々な種類があります。
具体的には以下のような種類が挙げられるでしょう。
ノウハウ提供型 | 「○○の方法」「○○の作り方」といった、製品・サービスに関連したノウハウを提供 |
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レポート型 | 業界動向やトレンド、市場調査といったレポートを提供 |
事例紹介型 | 提供している製品・サービスの導入事例を紹介 |
課題解決型 | 顧客が抱えている課題解決を軸に、その方法や考え方を提供しつつ、自分の提供する製品・サービスを紹介 |
製品・サービス比較型 | 自分が提供している製品・サービスと、競合製品・サービスを様々なポイントで比較し、選ぶべき理由を提供 |
テンプレート型 | 事務書類のフォーマットなど、自分の提供する製品・サービスに関連した役立つテンプレートを提供 |
チェックシート型 | 顧客が自身の状況や課題をセルフチェックできる資料を提供 |
ホワイトペーパーの目的
ホワイトペーパーは主に、顧客の購買意欲を高めるリードナーチャリングを目的として提供します。
製品・サービスに関連した様々な情報を深いレベルで提供することで、顧客育成を図り、見込み顧客の購買を後押しするのです。
またダウンロードコンテンツとして提供することで、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)にも活用できるでしょう。
ホワイトペーパー経由で獲得した見込み顧客は、既に購買意欲が高い傾向にあるため、効率的に顧客化を図ることができます。
ホワイトペーパーと営業資料の違い
営業資料は、その名のとおり営業目的で活用される資料であるため、製品・サービスの売り込みが内容の大半を占めます。
一方で、ホワイトペーパーは購買へと繋げることを前提としつつも、顧客の課題解決やニーズに応えることを目的として制作する資料です。
一部内容が重複することはあっても、基本的な制作目的が異なる点は押さえておきましょう。
ホワイトペーパーのメリット
ホワイトペーパーのメリットとしては、以下の点が挙げられます。
専門性をアピールできる
一つ目に挙げられるのは、専門性をアピールできるという点です。
ホワイトペーパーはブログ記事などのコンテンツよりも、専門的かつ深度のある情報を含めて提供します。
そのためホワイトペーパーの提供を通じて、製品・サービスに関する高い専門性を顧客に対してアピールできるでしょう。
顧客からの信頼を獲得できる
次に挙げられるメリットは、顧客からの信頼を獲得できるという点です。
顧客ニーズを深く満たすホワイトペーパーを提供することで、「こんな情報まで提供してくれるのであれば信頼できる」といった評価を得られます。
また先に挙げた専門性のアピールを通じて、顧客からの信頼度を獲得できるでしょう。
持続的な効果を発揮する
メリットの最後に挙げられるのは、持続的な効果を発揮するという点です。
一度良質なホワイトペーパーを制作してしまえば、追加で大きな費用や工数をかけることなく、持続的な顧客育成や集客効果を発揮します。
ブログ記事による集客と併せて実施することで、集客から育成までを効果的に進めることができるのです。
ホワイトペーパーのデメリット
続いてデメリットについても併せて押さえておきましょう。
制作工数がかかる
デメリットとして一つ目に挙げられるのは、制作工数がかかるという点です。
ホワイトペーパーは、これまでの知見は勿論、緻密な調査や考察を実施した上で、作り込んでいくことになります。
またボリュームもブログ記事よりも多くなるため、制作にあたってかなりの工数がかかる点は注意しましょう。
ライティングノウハウが必要
次に挙げられるデメリットは、ライティングノウハウが必要であるという点です。
いくら良いテーマを取り上げていても、わかりにくい構成であったり、読みにくかったりした場合、最後まで読まれることはありません。
そのためホワイトペーパーを制作する際は、わかりやすい構成の作成や文章を執筆するためのライティングスキルが必要になります。
効果が出るまで時間がかかるケースがある
デメリットの最後に挙げられるのは、効果が出るまで時間がかかるケースがあるという点です。
品質の高いホワイトペーパーを制作しても、見込み顧客がホワイトペーパーの存在を認知しなければ、ダウンロードされることもありません。
このように認知を獲得するまでの間、顧客育成や集客といった効果を発揮することはないので、中長期的な視点を持って取り組む必要があるのです。
ホワイトペーパーの作り方
ここからはホワイトペーパーの作り方について、基本的な構成を押さえた上で確認していきます。
ホワイトペーパーの基本的な構成
具体的な作成手順に入る前に、ホワイトペーパーに含まれる基本的な構成要素をご紹介します。
タイトル | ホワイトペーパーのタイトル |
---|---|
目次 | ホワイトペーパーに含まれている情報の見出しを紹介 |
要約・導入 | ホワイトペーパー全体の論旨を要約した内容を記載 |
本文 | ホワイトペーパーの見出しや本文を記載 |
まとめ | ホワイトペーパーの総括を記載 |
CTA (Call To Action) | 問い合わせを促す要素を記載※ホワイトペーパーの内容によって含めないケースもある |
著者情報・問い合わせ先 | ホワイトペーパーの著者情報や連絡先を記載 |
ホワイトペーパーの種類によっては該当しないものもありますが、基本的には上記の構成を取るので、制作時の参考にしてください。
ホワイトペーパーの作成手順
それではホワイトペーパーの作成手順を、7つのステップに分けて確認していきましょう。
目的設定
ホワイトペーパーを作成するにあたって、まずすべきことは目的の設定です。
先述のとおりホワイトペーパーには大きく見込み顧客の獲得と育成という二つの目的がありますが、どちらを軸とするかによって、テーマや内容が異なることは言うまでもありません。
そのためホワイトペーパーの提供を通じて、どういった目標を達成したいのかという点を明確にすることが重要になるのです。
ターゲット設定とニーズ分析
次に行うのは、ターゲット設定とニーズの分析です。
ホワイトペーパーを通じてアプローチしたい顧客像を明確にし、ターゲットとして設定しましょう。
ターゲット設定においては年齢や性別、価値観や趣味、仕事における悩みといった様々な要素を加味して、実在するかのような人物像:ペルソナを策定します。
その後、ペルソナが抱えているニーズを考察していくことになるでしょう。
テーマの設定
続いて、ホワイトペーパーのテーマを設定します。
目標と分析したターゲットのニーズを踏まえつつ、ホワイトペーパーで取り上げるテーマを決めていくことになるでしょう。
テーマについては、製品・サービスの売り込みに繋がることを前提としつつも、基本的には顧客の課題解決やお役立ちを重視して設定することがポイントになります。
構成作成
テーマが設定できた後は構成の作成を行います。
先のステップで決めたテーマを基に、内容に盛り込む情報の方向性を定め、タイトルや見出しを作成していきます。
構成作成においては、テーマを伝えるために必要な項目を箇条書きなどで洗い出し、「どの流れで伝えることで顧客の理解を促せるか」といった点を考えていくことになるでしょう。
原稿執筆
構成ができた後は、各見出しの情報を補完するために取材を行います。
顧客や関係者に対するインタビュー、インターネットや書籍による情報収集などを行い、執筆するための素材を集めていきましょう。
各見出しに関する情報を十分に収集できた後は、それらの情報をわかりやすく伝えることを意識して、原稿を執筆していきます。
原稿チェック・修正
続いて完成した原稿のチェックと修正を行います。
原稿チェックは書き終えた当日に行うのではなく、日を改めて実施することで、読者の視点でチェックすることが可能です。
誤字や脱字、情報の誤りや論理破綻などがないかをチェックし、必要に応じて修正していきましょう。
デザイン
ホワイトペーパー作成の最後のステップはデザインです。
完成した原稿を、パワーポイントやGoogleスライド、CANVAなどのツールを用いて、ホワイトペーパーとしての体裁を整えていきます。
改行や空白などの文章配置によるデザインは勿論、フォントや文字色、その他必要に応じて画像などを挿入することになるでしょう。
おしゃれなデザインにすることよりも、「読者の読みやすさから逆算してデザインする」という点を押さえておいてください。
ホワイトペーパーを作成する際の10のコツ
続いて、ホワイトペーパーの作成におけるコツをご紹介します。
企画における4つのコツ
まずは企画におけるコツから見ていきましょう。
カスタマージャーニーを作成する
顧客の各購買プロセス(認知から購買に至るまでのプロセス)におけるニーズや悩みを整理したカスタマージャーニーを作成することで、全体像を捉えてホワイトペーパーのテーマを考えることができます。
ホワイトペーパー同士の繋がりや、他コンテンツとのシナジーを含めて検討できるので、効果的に顧客育成を行うことができるでしょう。
幅広い顧客が抱えるニーズから対応する
ごく少数の顧客だけが抱えるニーズではなく、まずは幅広い顧客が抱えるであろう大きめのニーズから対応していくことで、集客や顧客育成の効率を高めることができます。
大きなニーズのホワイトペーパーを提供した後に、徐々にニッチなニーズにも応えていくことで、精度の高い顧客育成に繋げることができるでしょう。
売り込みよりも顧客ニーズを優先する
ホワイトペーパーを作成する際は、製品・サービスの売り込みではなく、顧客の情報ニーズや課題解決のための情報を優先して取り上げるべきです。
製品・サービス比較型や事例紹介型など、売り込みを前提としたものを除き、顧客ニーズに応えることを最優先にしたテーマにすることで、顧客との関係性を深めていくことができるでしょう。
ブログ記事をベースに企画するのも一つ
ホワイトペーパーのテーマに悩んだ際は、ブログ記事をベースに企画するのも一つの方法です。
ホワイトペーパーの制作に慣れていない内は、ゼロから企画して制作することは難しいと言えるでしょう。
しかし、既にブログ記事などを提供している場合、それらの記事をまとめ、最新情報などの付加価値を付けることで、十分にホワイトペーパーとして提供できます。
もしブログ記事が蓄積されているのであれば、まずはそれらの記事をベースに企画してみると良いでしょう。
執筆・デザインにおける6つのコツ
次に執筆やデザインを行う上でのコツをご紹介します。
タイトルを工夫する
ホワイトペーパーが読まれるかどうかは、どれだけタイトルを工夫できるかで決まると言っても過言ではありません。
タイトルに読むことで得られる価値やメリットを含めることで、はじめて読者に読んでみたいと思ってもらえるのです。
そのホワイトペーパーに記載している情報の中でも、特に重要な要素などを抜き出し、タイトルに活用すると良いでしょう。
結論から先に伝える
ホワイトペーパーにおいては、冒頭の導入部分でテーマや結論、このホワイトペーパーを読むことで得られるポイントを示すことが重要です。
「ホワイトペーパーを読んだら、どんなことが理解できるのか」という点が明確になっていれば、その情報に価値を感じる顧客の行動を促しやすく、最後まで読んでもらえる可能性も高めることができるでしょう。
数値などを活用して信憑性を高める
ホワイトペーパーで主張している内容の信憑性を高めるためにも、数値などのデータは積極的に活用することをおすすめします。
どれだけ価値のある内容を記載していても、信憑性が低ければ、顧客の購買意欲の促進や信頼獲得といった成果を得ることはできません。
そのためホワイトペーパーにおける主張を裏付ける数値やデータは、できるだけ盛り込むようにしましょう。
図や表などの視覚要素も活用する
読み手の理解を促進するために、テキストだけでなく、図や表といった視覚要素も活用しましょう。
先に挙げた数値やデータを示す際も、テキストで記載するのではなく、グラフや表などの形式に加工することで、よりわかりやすい内容に仕上げることができます。
専門用語は読者のリテラシーに合わせて使う
ホワイトペーパー内に記載する専門用語は、読者のリテラシーに合わせて使い分けましょう。
ターゲットとする読者が、そのテーマについてある程度リテラシーがあると想定できる場合は、専門用語を積極的に活用することで深い情報を提供できます。
逆にリテラシーがない読者を対象とする場合、一般的な言葉に置き換えたり、あらかじめ用語を説明したりと、配慮する必要があるでしょう。
空白や改行を用いて、視覚的な圧力を減らす
ホワイトペーパーのデザインにおいては、空白や改行によって視覚的な圧力を減らすことも重要です。
文字が敷き詰まっているようなホワイトペーパーでは、いくら内容が良くても、読むことが苦痛となってしまいます。
そのため空白や改行、画像などの要素を積極的に活用し、文字による圧力をできるだけ減らすようにしましょう。
ホワイトペーパーの活用方法
最後にホワイトペーパーの活用方法についてご紹介します。
様々な活用施策
ホワイトペーパーは、Webサイト上でダウンロードコンテンツとして提供する方法が主流ですが、以下のような活用方法も挙げられます。
- メルマガやLINEアカウントのコンテンツとして利用する
- SNS広告などのサムネイルに活用する
- 営業資料として顧客との商談やセミナーなどに活用する
このようにダウンロードコンテンツ以外にも、他の施策におけるコンテンツとしても利用できるのです。
制作自体に工数こそ掛かりますが、一度制作してしまえば、様々なシーンで活用することができるでしょう。
ホワイトペーパーのダウンロードを増やすには
とはいえホワイトペーパーの活用方法の主軸は、やはりダウンロードコンテンツとしての利用です。
そのため如何にダウンロードを促進できるかが、取り組みの鍵となるのです。
ホワイトペーパーのダウンロードを促進するポイントとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。
- 内容の一部、あるいは目次をダウンロードページ上で公開する
- 関連するブログ記事でホワイトペーパーへの内部リンクを設置する
- ダウンロードのための入力項目を最小限にする
- SNSやメルマガ、広告などで認知を獲得する
ホワイトペーパーのダウンロード促進にも活用できるノウハウについては、以下の記事でも触れているため、ご興味ありましたらぜひ併せてご確認ください。
まとめ
今回はホワイトペーパーをテーマに、概要やメリット、作り方やコツなどをまとめてご紹介しました。
ホワイトペーパーは持続的な顧客育成や集客効果を発揮する上、自分自身の専門性をアピールできる強力なツールとなります。
制作に工数がかかるという難点はありますが、本記事で紹介したコツなどを踏まえて作り込むことで、工数に見合ったマーケティング成果を挙げることができるでしょう。
ぜひこの記事を参考にホワイトペーパーの制作に挑戦してみてください。