- Web集客方法について調べているものの、具体的にどんなシーンで活用されているのかイメージしにくい
この記事は上記のようなお悩みを抱えている方に向けて、主なWeb集客方法についておさらいした上で、Web集客における事例をご紹介していきます。
成功のポイントやWeb集客を学ぶ上で役立つ本も併せてご紹介しますので、ぜひ最後までご確認ください。
Web集客における主な方法
まずはWeb集客における主な方法をおさらいしておきましょう。
SEO・MEO
SEO(検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索エンジンにおいて提供製品やサービスと関連したキーワードで検索された際に、Webサイトを上位表示させることで、検索エンジンからの流入を図る手法です。
具体的にはWebサイト構造の調整や、検索ニーズに合わせたコンテンツの提供を行います。
SEOと関連して、Googleマップで検索された際に表示させるためのMEO(マップエンジン最適化)も有効な手法と言えます。
MEOはGoogleビジネスプロフィールを設定することで対策します。
オウンドメディア運用
オウンドメディアとは自分自身で保有・運営するメディアのことを指し、公式サイトやブログ、ECサイトなどを指します。
オウンドメディアを通じて、顧客の悩みやニーズに応えるコンテンツを提供することで、集客や購買意欲の促進に繋げることが可能です。
SEOとも相性がよく、オウンドメディアで提供するコンテンツにSEOを施すことで、効率的に検索エンジンからの流入を図ることができるでしょう。
SNS運用
FacebookやX(旧Twitter)、LINEやInstagramなどのアカウントを運用し、SNSユーザーに対して有益な情報の提供やコミュニケーションを図ります。
各SNSにはユーザー層の違いがあり、提供できるコンテンツ形式なども異なるため、ターゲット像や状況に応じて使い分けることが重要です。
オウンドメディアの認知獲得経路としても活用できるため、汎用性の高い手法と言えるでしょう。
Web広告
検索連動型広告やディスプレイ広告といった様々な形式のWeb広告を活用することで、潜在顧客から見込み顧客まで、幅広い顧客層にアプローチできます。
他にも動画広告や記事広告、SNS広告など様々な種類があり、それぞれ特徴も異なるため、目的やターゲットに合わせて運用することになるでしょう。
これらのWeb広告は、ターゲットとするキーワードや掲載媒体、入札単価や配信ターゲットなどを細かく設定できるため、上手く活用することで高い集客効果を発揮します。
メルマガ配信
Webサイトにメルマガ登録フォームを設けて新規登録を促しつつ、既に連絡先がわかっている顧客をリスト化し、メルマガを配信します。
顧客にとって役立つ情報や、自身の製品・サービスに関するお知らせなどを記載したメールを定期的に配信することで、顧客と継続的にコンタクトを図っていくのです。
顧客の購買検討段階に併せて配信内容を調整することで、購買意欲の促進に繋げることができるでしょう。
またBtoCの場合は、LINE公式アカウントによる配信も効果的であるため、LINE登録に繋げることも重要になります。
ウェビナー
ウェビナーとはオンライン上で行われるセミナーです。
顧客の悩みや課題の解決をテーマとしたウェビナーを開催することで、ニーズの顕在化した見込み顧客を集客できるでしょう。
リアルで行われるセミナーと異なり、場所や時間の制限を受けることなく開催できるため、これまでリーチできなかった顧客層の獲得に繋げられます。
またウェビナーを録画しておくことで、オウンドメディアで動画コンテンツとしても提供でき、長期にわたって集客効果を発揮できるという強みがあります。
外部サイトの活用
提供製品・サービスに関する情報を扱うポータルサイトにコンテンツを掲載したり、関連性のあるWebサイトと相互リンクを設置したりすることも、Web集客方法として挙げられます。
またプレスリリースを配信するというのも有効です。
プレスリリースは報道機関などの第三者を介して取り上げられるため、自分で発信した情報よりも、信憑性のある情報として顧客に訴求できます。
Web集客方法については、以下の記事も併せてご確認ください。
Web集客における事例12選
オウンドメディアによるWeb集客事例
北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するBtoC向けのオウンドメディアです。
商品販売を目的としたECサイトとしての機能を主軸としつつも、バイヤーが商品を選ぶときの思いやストーリーといった記事をミニコラムとして提供しています。
販売という実成果に繋げつつ、「北欧、暮らしの道具店」が大切にしている価値観などを訴求できており、ブランディング効果も発揮している好事例と言えるでしょう。
サイボウズ式
「サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営するBtoB向けのオウンドメディアです。
組織マネジメントや多様性、人事制度などをテーマとした記事を複数提供しており、組織開発に課題を抱える企業をターゲットとして、集客に繋げています。
サイボウズの社員や組織をコンテンツとした記事も提供しており、ブランディングツールとしても機能していると言えるでしょう。
SNS運用によるWeb集客事例
シャープ株式会社のX運用
家電製品の製造販売を行っているシャープ株式会社は、Xアカウントを活用してユーザーと積極的にコミュニケーションを図っています。
単純に製品について宣伝するだけでなく、上記のように自社製品に関するポストを投稿しているユーザーの内容に対して、引用リポストでコメントを返すといったユニークな活用をしているのです。
Xユーザーとの良好な関係を構築しており、数多くの見込み顧客の獲得に繋げています。
個人英語スクールのLINE公式アカウント
ある個人の英語スクールは、メールによってスクールの利用者獲得を行っていましたが、コミュニケーションが取りづらいという問題を抱えていました。
そこでまず拡散力が強く、かつ学生の利用者も多いXを活用してLINEへの集客を行い、LINE公式アカウントのフォロワー獲得を行ったのです。
LINEアカウントでは英語に関するレクチャーを行いつつ、スクールの利用率を高めることに成功しました。
Web広告におけるWeb集客事例
株式会社井野屋の検索連動型広告運用
レザーバッグブランド「SLOW」などの生産・販売から、店舗運営を行っている株式会社井野屋は、従来他社への卸売りが売上の中心となっており、自社販売に課題を抱えていました。
そこでECサイトを立ち上げた上で、サイト内のコンテンツを整理しつつ、Googleの検索連動型広告を導入したのです。
「少額でも年間を通じて継続運用すること」を目標に地道に運用した結果、ECサイトの売り上げが約7倍に増加し、実店舗の売上も増加するという成果を得ました。
戸田市役所のディスプレイ広告運用
埼玉県南東部にある戸田市は、埼玉県の中でも平均年齢が一番低い街となっており、子育て世代の流入を目指していました。
そこでディスプレイ広告(運用型)を取り入れ、Yahoo!ジャパンのポータルサイトやYahoo!ニュースなどに広告を表示したのです。
その結果Webサイトへのアクセスが実施前の17倍まで伸び、認知拡大に繋げることができました。
メルマガにおけるWeb集客事例
株式会社Lumiiのメルマガ
動画クリエイターと企業のマッチングサービスを提供する株式会社Lumiiは、テレアポで新規サービスのセールスを行っていたものの、コロナの影響でアポイントがなかなか取れないという課題を抱えていました。
そこでメール配信システムを導入し、メルマガ配信を始めたのです。
その結果、導入から2か月でメルマガ経由での売上が100万円以上となり、効果的な集客施策の確立を実現しました。
株式会社キーエンスのメルマガ
PLCなどの制御機器やセンサなどを製造販売する株式会社キーエンスは、新商品の情報や業務改善事例、現場で役立つノウハウといった情報をメルマガとして配信しています。
製品に関する情報以外にも、新人研修に使える基礎知識や英会話講座などの役立つ情報、プレゼントキャンペーン情報なども配信しているのです。
顧客へのお役立ちに力点が置かれ、Webサイトへの誘導を主としていないため、読者にも受け入れられやすくなっており、自然な形で見込み顧客の集客に繋げられている事例と言えるでしょう。
ウェビナーにおけるWeb集客事例
株式会社ワーク・ライフバランスのウェビナ―活用
コンサルタント養成講座や働き方コンサルティングなどのサービスを提供している株式会社ワーク・ライフバランスは、効率的に顧客とコミュニケーションが取れるツールを探していました。
これまで無料のWeb会議サービスを利用していたものの、4人以上となると音声や映像が乱れ、効率よくコミュニケーションが取れずに悩んでいたのです。
そこでウェビナー配信ツールを導入し、コンサルティングサービスや養成講座を提供したのです。
その結果、一度に多くの顧客に対してサービスを提供できるようになり、効率的な集客に繋げることができました。
オーナーズエージェント株式会社のウェビナー活用
賃貸管理に関するソリューションを提供するオーナーズエージェント株式会社は、全国各地に散らばる見込み顧客に対してコンサルタントが訪問するにあたって、物理的な距離や時間に課題を感じていました。
そこでウェビナー配信ツールを導入し、オンラインによるコンサルティングサービスを展開したのです。
その結果サービス品質を維持しながら、時間や場所に制限のない集客や顧客支援を実現しました。
その他のWeb集客事例
株式会社昭栄のプレスリリース
鞄製造業を営む株式会社昭栄は、「かばん工房 遊鞄01」という工場を新設するにあたり、プレスリリースを活用したのです。
「形のないゼロから、オンリーワンを作る」をコンセプトとして、業界初のサービスである「ビジネスバッグなどの作製体験」を中心にアピールしたことにより、テレビや新聞などのメディアに多数取り上げられました。
石川酒造株式会社のMEO
日本酒やビールなどを製造する石川酒造株式会社は、日本酒製造に加え、酒造の歴史を学べる資料館やレストラン運営などを行っています。
そんな石川酒造は日本酒離れを危惧し、日本の伝統の味を伝えるために蔵見学を始め、より多くの方に参加してもらうため、GoogleビジネスプロフィールによるMEOに取り組み始めたのです。
営業時間や定休日などの基本情報を充実させ、試飲会などの最新情報などを掲載することで、MEO経由のWebサイト訪問回数377件という成果を生み出しました。
Web集客におけるポイント
Web集客事例をご確認いただいたところで、ここでWeb集客におけるポイントをご紹介します。
ターゲットを明確にする
一つ目のポイントはターゲットを明確にするという点です。
Web集客には様々な種類がありますが、それぞれ特性やリーチできる顧客層が異なります。
そのため集客活動を行う前に、どのような顧客を集客したいのかを考え、ターゲットを明確にしておかなければなりません。
ターゲットを明確にすることで、最適なWeb集客方法を選ぶことができ、伝えるメッセージなどの精度も高めることができるでしょう。
カスタマージャーニを策定する
ターゲットの明確化と併せて、カスタマージャーニーを策定することも重要なポイントになります。
カスタマージャーニーとは、ターゲットとする顧客の各購買検討段階における悩みやニーズ、提供すべきコンテンツなどをまとめたものです。
カスタマージャーニーを策定することで顧客ニーズをしっかりと押さえた上で、各方法の繋がりなども意識した集客の仕組みを確立できるでしょう。
製品・サービスのUSPを明確にする
次に挙げられるポイントは、製品・サービスにおけるUSPを明確にするという点です。
USPとはUnique Sales Propositionの略称で、製品・サービスの独自性や強みのことを指します。
どれだけ優れた集客方法に取り組んでも、製品・サービス自体に魅力を感じてもらえなければ、購買や契約などの成果に結びつくことはありません。
そのため集客を行う際はあらかじめUSPを明確にし、各集客施策においてしっかりと訴求していくことが重要になるのです。
スモールスタートする
スモールスタートするという点もポイントとして挙げられます。
Web集客には様々な方法がありますが、これらを一斉に実施することは時間や工数の観点から現実的ではありません。
そのためターゲットやリソースに合わせて、最適と思われる集客方法に絞って、スモールスタートしていくことが重要なのです。
取り組んでいる集客方法が軌道に乗り、ある程度時間に余裕が出てきたタイミングで、徐々に取り組む施策を増やしていくとよいでしょう。
効果検証と改善を継続する
ポイントの最後に挙げられるのは、効果検証と改善を継続するという点です。
Web集客に取り組みはじめても、いきなり大きな集客効果を得られるとは限らず、「想定していたよりも成果が出ない」といったことも起こり得ます。
そのため施策の効果検証を定期的に行い、必要に応じて改善していく必要があるのです。
効果検証と改善のサイクルを継続して回していくことで、着実に集客効果を高めていくことができるでしょう。
Web集客を学ぶ上でおすすめの本
最後にWeb集客を学ぶ上でおすすめの本を3冊ご紹介します。
沈黙のWebマーケティング ─Webマーケッター ボーンの逆襲
おすすめの本としてまずご紹介するのは、「沈黙のWebマーケティング ─Webマーケッター ボーンの逆襲」です。
SEOなどのコンサルティング事業を手がける株式会社ウェブライダーの松尾茂起氏の著書で、オウンドメディア運用のノウハウやSEOの基礎知識などを中心に解説した良書となっています。
漫画形式で解説されているため、Webマーケティング初級者でも分かりやすく読み進めることができる上、具体的な取り組み方まで触れられているので、すぐに実践できるでしょう。
いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本 人気講師が教えるメディアと販促の新しい基礎
続いてご紹介するおすすめの本は、「いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本 人気講師が教えるメディアと販促の新しい基礎」です。
マーケティングコンサルティングサービスを提供している株式会社アイレップの田村修氏の著書であり、デジタルマーケティングの基本知識を学ぶことが可能です。
オウンドメディアだけでなく、Web広告の運用やSNS運用に至るまでの基本的な内容を、豊富な図解と分かりやすいテキストで解説しています。
実践的な内容については薄いですが、Web集客に取り組む上で知っておくべき知識は一通り押えることができるでしょう。
ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則
おすすめの本の最後にご紹介するのは、「ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則」です。
コピーライティングの大家であるジョン・ケープルズ氏の著書で、広告コピーを書く上で基本となる知識を網羅して学ぶことができます。
顧客の反応を得やすい要素や見出し、言葉などをケープルズ氏の実体験を基に紹介しており、すぐにでも使えるテクニックを習得可能です。
広告だけでなく、オウンドメディアで提供する記事の見出しやメルマガのタイトルにも応用できるなど、Web集客においても汎用性の高いスキルを学ぶことができるでしょう。
まとめ
今回はWeb集客の方法を踏まえつつ、集客事例をご紹介してきましたが、いかがでしたか。
今回ご紹介した事例は業種も規模も様々ですが、それぞれの課題や状況に合わせてWeb集客方法を活用したことで、認知拡大や購買といった成果に繋げています。
Web集客方法はそれぞれの特徴や強みがあるため、本記事で紹介した事例やポイントを参考にしていただきながら、最適な集客の仕組みを実現していただければ幸いです。