- SEOの基本はなんとなく分かるので、具体的な実践方法を知りたい方
- どんなキーワードで情報を発信すれば良いか悩んでいる方
- ホームページをこれから作る、またはリニューアルを考えている個人事業主・フリーランスの方
「ホームページを作ったのに、全く問い合わせが来ない…」
「検索しても自分のサイトが見つからない…」
このような悩みを抱えている個人事業主の方は多いのではないでしょうか。
せっかく時間とお金をかけてホームページを作ったのに、お客様に見つけてもらえなければ意味がありません。そこで重要になるのが、「見つけてもらうための工夫」です。
この記事では、「検索で見つけてもらいやすいホームページを作る段階で気をつけること」と、あなたの「サービスを必要としているお客様が使うキーワードの見つけ方」について、実践的な方法を分かりやすく解説していきます。
まずは、SEOの基本的な知識を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
少し専門的な内容も含まれますが、一つずつ丁寧に説明しますので、安心してください。
制作時のSEO基本ポイント
ホームページは、完成してからSEO対策をするのではなく、作る段階から検索エンジンと使う人の両方に「分かりやすく」「使いやすく」設計することが、後々の集客を大きく左右します。
ホームページは、いわばインターネット上のお店やオフィスのようなもの。
お客様が迷わず、快適に過ごせるような設計を心がけることが大切です。
ここでは、制作時に押さえておきたい4つの基本ポイントをご紹介します。
分かりやすいサイト構造
ホームページの情報を整理し、分かりやすい道筋を作ることで、訪問者も検索エンジンも内容を理解しやすくなります。
ホームページを作る前に、どんな情報をどこに配置するか、簡単な設計図(サイト構造)を考えましょう。
- 情報を整理整頓
「サービス内容」「料金」「制作実績・お客様の声」「プロフィール」「お問い合わせ」など、情報を分かりやすくカテゴリー分けします。これが基本の骨組みになります。 - URLはシンプルに
各ページのURL(インターネット上の住所)は、できるだけ短く、内容が推測できる英語表記にするのがおすすめです。長すぎるURLや日本語URLは、分かりにくい場合があります。- 良いURL例
- https://example.com/service/design/
サービス紹介の中のデザインのページだと推測できる
- https://example.com/service/design/
- あまり良くないURL例
- https://example.com/p=123
なんのページかわからない - https://example.com/日本語URL
実際には「%E9%95%B7%E3%81%99%…」となるので冗長で読めない
- https://example.com/p=123
- 良いURL例
- サイトマップを用意
- 人間向けサイトマップ
サイト全体のページ構成が一覧できるページ。訪問者が目的のページを探しやすくなります。 - 検索エンジン向けサイトマップ(XMLサイトマップ)
Googleなどの検索ロボットに「このサイトにはこんなページがありますよ」と伝えるためのファイル。これをGoogleに知らせることで、新しいページを早く認識してもらいやすくなります。(WordPressなどのツールを使えば自動で作れることが多いです)
- 人間向けサイトマップ
- パンくずリストを設置
今見ているページがサイト全体のどこにあるのかを示す道しるべ、訪問者が迷子になるのを防ぎ、検索エンジンにもサイト構造を伝えるのに役立ちます。- パンくずリストの例
ホーム > サービス紹介 > コンサルティング。
- パンくずリストの例
スマホやタブレットでも見やすく使いやすい設計
今や多くの人がスマホで情報収集する時代。スマホで見やすく、使いやすいホームページにすることは、SEO対策の基本中の基本です。
Googleは、スマホでの表示を基準にサイトを評価する「モバイルファーストインデックス」を採用しています。
つまり、スマホ対応していないサイトは、検索順位で不利になる可能性が高いのです。
スマホ対応でおすすめなのは、パソコン、タブレット、スマホなど、見る画面の大きさに合わせて、ページのレイアウトやデザインが自動で調整されるレスポンシブデザインです。
- 文字は小さすぎないか?
ピンチアウト(指で拡大)しなくても読める文字サイズ(16px以上が推奨)にしましょう。 - ボタンやリンクは押しやすいか?
指でタップしやすいように、十分な大きさ(最低44×44ピクセル程度)と間隔を確保しましょう。 - 横スクロールが発生していないか?
画面内にコンテンツが収まっているか確認しましょう。
Googleが提供している無料ツール「Google Search Console」のウェブに関する主な指標や「PageSpeed Insights」で確認できます。
PageSpeed Insightsでは下記のようなモバイルの評価項目が多様にあります。
高速な表示速度を実現する
ホームページの表示が遅いと、訪問者は待ってくれずにすぐに離れてしまいます。
表示速度を改善することは、ユーザー満足度とSEO評価の両方に繋がります。
「このページ、開くの遅いな…」と感じて、見るのをやめてしまった経験はありませんか? 表示速度は非常に重要です。
- 画像のサイズを最適化
ホームページで使う写真は、綺麗に見せたいですが、ファイルサイズが大きすぎると表示速度を遅くする最大の原因になります。- 適切なサイズにリサイズ
表示するサイズに合わせて、あらかじめ画像の大きさを調整しましょう。 - 画像を圧縮
「TinyPNG」などの無料ツールを使えば、見た目の品質をほとんど落とさずに、ファイルサイズを軽くできます。 - 軽い形式の画像を使う
JPEGやPNGよりも軽い「WebP」や「AVIF」という新しい画像形式を使うと、同じ見た目でもファイルサイズを30〜50%小さくできます。WordPressなら自動変換プラグインがあるので簡単に設定できます。
- 適切なサイズにリサイズ
- サーバー選びも重要
ホームページを置いておく場所(レンタルサーバー)の性能も表示速度に影響します。あまりに格安すぎるプランだと、速度が出にくい場合もあります。 - 【応用】コードの最適化やキャッシュ活用
HTMLやCSSなどのコードを整理したり、「キャッシュ」(一度読み込んだデータを一時的に保存しておく技術)を活用したりすることでも速度は改善できますが、初心者には少し難しいかもしれません。
WordPressを使っている場合は、速度改善用のプラグインを導入するのも一つの手です。
モバイル対策でも出てきたGoogleの「PageSpeed Insights」で、あなたのサイトの表示速度と改善点を確認できます。
参考に当サイトのPageSpeed Insightsの計測結果は下記のとおりです。
必ずSSL化(https化)を行う
SSL化とは、ホームページと訪問者の間の通信を暗号化する技術です。
これにより、お問い合わせフォームに入力された個人情報などが、途中で盗み見られるリスクを減らせます。
ホームページのURLを「https://」で始めるSSL化は、訪問者の安全を守り、信頼性を高めるために、今や必須の対策です。
現在、「http://」で始まるサイトにアクセスすると、ブラウザが「保護されていない通信」や「安全ではありません」といった警告を表示し、訪問者が明示的に「このサイトにアクセスする」を選択しないと表示されない場合がほとんどです。
つまり、SSL化されていないサイトは、そもそも見てもらえない可能性が高いのです。
- Googleが推奨&ランキング要因の一つ
GoogleはSSL化を推奨しており、検索順位にも影響すると言われています。 - 訪問者に安心感を与える
鍵マークが表示されることで、訪問者は「このサイトは安全だ」と感じやすくなります。 - セキュリティ向上
情報漏洩のリスクを低減します。
難しそうに聞こえますが、最近では多くのレンタルサーバーが無料のSSL証明書(Let’s Encryptなど)を提供しており、サーバーの管理画面から簡単な操作で設定できる場合がほとんどです。
ホームページを作る際は、必ずSSL化を行いましょう。
お客様に響く!キーワード戦略の基本ステップ
あなたのサービスを探している未来のお客様が、どんな「言葉(キーワード)」で検索するかを知り、そのキーワードを意識して情報発信することが、効果的な集客の鍵となります。
ホームページの土台ができたら、次はお客様に「見つけてもらう」ためのキーワード戦略です。
難しく考えず、お客様の気持ちになって考えてみましょう。
キーワード探しの第一歩
まずは、あなたのサービスや商品を求めている人が、どんな言葉で検索するかを想像し、関連するキーワードの候補を洗い出すことから始めましょう。
キーワード探し(キーワードリサーチ)の基本は、お客様の立場になって考えることです。
- 基本となるキーワード
あなたのビジネスやサービスを表す基本的な言葉(例:「整体」「Webデザイン」「オンライン英会話」)。 - 組み合わせを考える
- 地域名 + サービス名
「新宿 整体」「大阪 Webデザイン」 - 悩み・目的 + サービス名
「肩こり 整体」「初心者向け オンライン英会話」 - ターゲット層 + サービス名
「主婦向け Webデザイン」「ビジネスマン向け オンライン英会話」
- 地域名 + サービス名
- お客様の言葉をヒントに
普段お客様との会話で出てくる言葉や、よく聞かれる質問などもキーワードのヒントになります。
無料ツールも活用しよう!
キーワードの候補をさらに広げたり、実際にどれくらい検索されているか(検索ボリューム)を調べたりするのに役立つ無料ツールもあります。
ツール名 | 主な機能・特徴 |
---|---|
Googleキーワード プランナー | Googleが提供する公式ツール。検索ボリュームの確認や関連キーワードの取得が可能 |
ラッコキーワード | サジェストキーワードを大量に取得できる国産ツール。関連語を幅広く発見できる |
Ubersuggest | 検索ボリューム、競合分析、関連キーワードを総合的に分析できる海外製ツール |
これらのツールは多機能ですが、まずは関連キーワードを探す目的で気軽に試してみるのがおすすめです。
ロングテールキーワードを見つける
検索回数は少なくても、具体的で成約に繋がりやすい「ロングテールキーワード」は、個人事業主にとって強力な武器になります。
「整体」や「Webデザイン」のような検索回数が多いキーワード(ビッグキーワード)は、ライバルが多く、上位表示は非常に困難です。
そこで狙いたいのが「ロングテールキーワード」です。
ロングテールキーワードとは?:
複数の単語を組み合わせた、より具体的で長いキーワードのことです。
例えば、「整体」に対して、「腰痛 産後 骨盤矯正 整体 〇〇市」など
なぜ個人事業主におすすめか
まず、検索する人が少ない分、大手企業などもあまり狙わないため、ライバルが少なく上位表示しやすいという特徴があります。
また、検索する人の悩みや目的がはっきりしているため、あなたのサービスにマッチしていれば、問い合わせや成約に繋がりやすく、成約率が高いのも大きなメリットです。
- Google検索のヒントを活用
- 検索窓にキーワードを入力したときに出てくる候補(サジェスト)を見る。
- 検索結果ページの一番下に出てくる「関連する検索キーワード」を見る。
- お客様の具体的な悩みや質問から考える
「〇〇するにはどうすればいい?」「〇〇でおすすめは?」といった疑問に答える形のキーワードを探す。- 例:「個人事業主 確定申告 やり方」「初心者 ホームページ作成 おすすめ ツール」
地域名キーワードを意識する
店舗や地域限定サービスを提供しているなら、「地域名」を含めたキーワード対策(ローカルSEO)は必須です。
地域密着型のビジネスにとって、地域名キーワードは非常に重要です。
- 様々な地域名を組み合わせる
都道府県名、市区町村名だけでなく、最寄り駅名や地域の通称なども有効です。- 例:「下北沢 古着屋 おすすめ」「横浜市青葉区 評判の良い歯医者」
- より具体的に
「〇〇駅 徒歩5分 カフェ」「△△区 子連れ ランチ」のように、場所だけでなく、特徴や利用シーンも組み合わせると効果的です。 - ホームページ全体で意識
サイトのタイトルや説明文、本文中などに、不自然にならない程度に地域名を盛り込みましょう。特に「アクセス」や「店舗情報」ページは重要です。 - Googleビジネスプロフィールとの連携
ホームページに記載する情報(店名、住所、電話番号など)は、Googleビジネスプロフィールの情報と必ず一致させましょう。情報の統一性が信頼につながります。
地域限定で検索する人は、実際にサービスを利用したい意欲の高いお客様です。
お客様がどんな言葉で地域を表現するかを想像して、自然に取り入れてみてください。
あなただけのニッチキーワードを見つける
ニッチキーワードとは、ロングテールキーワードと似ていますが、より「専門性」や「独自性」に焦点を当てたキーワードです。
例:「ヴィーガン向け スイーツ 通販」「キャンプ 初心者 女子 おすすめ道具」
大手が狙わないような、あなたの専門性や独自性を活かせる「ニッチ(すき間)」なキーワードを見つけることで、競争を避けつつ、濃いファンを獲得できます。
ただし、いくらニッチでも検索する人がいないキーワードでは、アクセスも問い合わせも期待できません。
お客様や周りの人に、どんなニーズがあるかを聞いてみるのも一つの手です。
- あなたの専門分野を深掘り
他にはない、あなただけの知識や経験をキーワードに落とし込んだキーワードになります。
例:「元銀行員 税理士 住宅ローン相談」「海外駐在経験 英語講師 ビジネスマナー」 - 特定の顧客層に絞る
ターゲットを具体的に絞り込むことで、その層の人だけが使う専門的なキーワードを見つけられます。
例:「フリーランスデザイナー向け 確定申告 サポート」 - サービスや商品の意外な使い方やメリット
本来の用途とは違う使い方や、意外な効果を組み合わせることで、新しいキーワードが生まれます。
例:「リモートワーク 集中力アップ アロマ」 - 業界の専門用語と一般的な言葉を組み合わせる
業界では当たり前の専門用語を、一般の人が理解しやすい言葉と組み合わせることで、また違った観点のキーワードになります。
例:「UXデザイン 初心者向け 講座」「ブランディング 小さな会社 方法」
ニッチキーワードで上位表示できれば、その分野に関心のある、非常に質の高いお客様を集めることができます。
あなたの「強み」は何か、ぜひ掘り下げてみてください。
キーワード選びの注意点
見つけたキーワードは、単にホームページに入れるだけでなく、そのキーワードで検索する人が「何を知りたいのか?(検索意図)」をしっかりと考え、その答えとなる質の高い情報(コンテンツ)を提供することが最も重要です。キーワードはあくまでお客様とあなたを繋ぐ「架け橋」にすぎません。
まとめ
今回は、個人事業主・フリーランスのためのホームページ制作時のSEO基本ポイントと、お客様に見つけてもらうためのキーワード戦略について解説しました。
- ホームページは作る段階から、分かりやすい構造、スマホ対応、表示速度、SSL化などSEOを意識
- キーワードはお客様視点で探す
- 「ロングテール」「地域名」「ニッチ」を狙う
- キーワード探しは「検索意図」の理解がゴール
専門用語も少し出てきましたが、まずは「訪問者にとって分かりやすく、使いやすいホームページを作ること」「お客様がどんな言葉で探しているか想像すること」から始めてみてください。